島根県立こころの医療センター

病院について

概要

看護局理念

私たちは、倫理観を大切に、患者さん一人ひとりの人権を尊重し、その人らしい生活ができるように支援します。

看護局の方針

  1. 患者さんの人権を尊重し、共に考える看護を実践します。
  2. 患者さんの安全・安心・安楽を保障する看護を実践します。
  3. 地域と連携した看護を提供します。
  4. 私たちは「誇り・希望・喜び」がもてるよう、専門職として自己実現を目指します。
  5. 県立病院の健全経営に参画します。

令和6年度看護局目標

  1. 倫理的感受性を高め、患者さんの人権と尊厳を守ります。
  2. 患者さんとの対話を大切にし、共に考える看護を実践します。
  3. 地域包括ケアシステムにおける病院の役割を遂行します。
  4. 一人ひとりの強みを活用し、チーム力を高めることで専門性の高い看護を実践します。

看護局長からのメッセージ

看護局長 多久和かおり

令和6年4月より精神保健福祉法において、精神科病院における虐待防止措置が規定されました。看護局では、患者さんを取り巻く「環境」に着目し、患者さんの意思決定や権利擁護に向けた支援をします。職員の倫理的感受性を高め、看護実践の中での倫理課題に「気づき」、「語る」ことで組織風土の醸成を図りたいと考えます。患者さん、ご家族との対話を大切にし、共に考える看護の実践を目指しています。

また、今年度よりクリニカルラダーを導入し、キャリアに応じた精神科看護の臨床実践能力の強化を支援します。

看護職員が精神科看護にやりがいを感じ、いきいきと仕事ができるよう心理的安全性を大切にしつつ、看護の専門性を発揮して質の高い看護が提供できるよう取り組んで参ります。

看護職員勤務体制

3交代
固定チームナーシング方式・受持看護師制

日勤:8時30分~17時15分
早出:7時45分~16時30分
遅出:10時~18時45分(若松病棟は11時15分~20時)
準夜:16時30分~1時15分
深夜:0時30分~9時15分

看護局組織図

看護局委員会

職員教育

看護局教育理念

専門職業人として科学的、創造的、かつ主体的に質の高い看護が実践できるよう、それぞれの成長期に応じた教育を行う。

<育成する看護師像>
  • 病態を含めた対象理解ができ、対象がその人らしい生活をおくるための看護を実践できる看護職
  • 患者の尊厳を守るための感性をみがき、自分の考えを表現できる看護職
  • キャリアに応じた組織の変革・発展に必要な専門的能力・対人関係力・概念化能力を備えた看護師
  • 精神障がい者が地域で自立した療養生活を実現・継続できるよう、地域に目を向けた看護を実践できる看護職

教育体制

教育体制

対象別研修プログラム

キャリアアップ研修の様子

対象 看護師経験があり、こころの医療センターに入職、転勤してきた看護師
内容
  • 新規採用者研修
    「精神疾患」「精神保健福祉法」「精神看護」「CVPPP 包括的暴力防止プログラム」「行動制限最小化」「SST社会生活技能訓練」「精神科における安全」「倫理」など
  • 集合研修(1回/月)
    「精神疾患と看護」「事例検討」「プロセスコード」「異和感の対自化」など

新規採用者研修でのグループワーク

薬剤師による抗精神病薬の研修会

令和6年度看護研究発表会

看護局では、昨年から約1年間かけて看護研究に取り組んできました。各病棟・外来から6題発表がありました。また地域連携室からも1題デイケア紹介の発表がありました。

研究のキーワードは、多職種連携、行動制限最小化への取り組み、もやもやMEMO、倫理観など多岐にわたりました。
倫理的感受性を磨き、多職種と連携することはもとより、看護実践が組織の目標達成に貢献していると実感していくことで組織力が高まり、よりよい看護の提供につながるとの発表もありました。

各部署での取り組みの成果は参加者の刺激となったようです。
今後も患者さんにより良い看護が提供できるように職員一同頑張っていきます。

看護管理者研修「病院被災時の行動と看護管理」を開催しました

10月17日、看護師長、副師長が災害時の机上シミュレーション研修を受講しました。
講師はDPAT先遣隊隊員、災害支援ナースの大迫崇史主任看護師でした。

震度6強の地震発生後の管理者の行動について、CSCA(C:指揮命令系統、S:安全、C:情報収集、情報伝達、A:評価)をもとにグループワークを行いました。

グループワーク後には、わかりやすい解説があり、実際をイメージし対応について考えることができました。
研修の最後に、能登半島の被災地でのボランティア活動の映像が映され、現場の状況や被災者の方の生の声、大迫看護師が現場で感じたことなどを知ることができました。
アンケートで「グループワークをしながら知識の共有ができた」、「実際に災害が起きた時に医療者として管理者としてどのような動きが必要か考える機会になった」などの感想がありました。

正常性バイアスを理解し、想定外を想定内にしていく努力をしていきたいと強く感じました。職員一人一人が防災意識を高め、自身の役割を果たしていきたいと思います。

学習会「コミュニケーションの癖を見直そう」を開催しました

勤務環境改善検討会

こころの医療センター看護局では、働きやすい職場を目指して学習会を開催しています。今年度は、落合のり子先生をお招きし、職場における職員同士のコミュニケーションについて学習しました。

落合先生は、昨年まで県立大学の准教授として当院での学習会に関わっていただいていました。
今年は、職員相談員としての立場で関わっていただきました。

講義の中で、コミュニケーションの癖には「人を正したい症候群」、「話横取り症候群」、「誇大・拡大症候群」など様々な症候群があり、人は無意識にマウントを取ろうとしたり、切り捨てていたり、押し付けていることがあると学びました。
会場では、苦笑いやうなづく姿がみられ、自分のコミュニケーションを振り返る機会となりました。

後半は、よくある事例を用いたロールプレイ! Iメッセージを使って、相手に伝えることの大切さと難しさを体験しました。
また、ロールプレイを振り返ると、仕事をする上での暗黙のルールや慣習、職場風土も関連していることにも気づきました。役割を交代して行うことで互いの立場を理解することにもつながったと思います。

初めは緊張した様子でしたが、最後には笑顔いっぱいの研修になりました。
相手を思いながらメッセージを伝えあえるようになりたいと思いました。

新人研修

卒後1年目教育計画

新規採用者・異動者研修

4月3日~17日の期間(7日間)
令和5年度新規採用者・異動者研修を多職種合同で実施しました。

「多職種連携」では地域生活支援室や心理室の役割を学びました。

「行動制限最小化」では患者さんの立場になって演習することで沢山の学びがありました。

「救命処置」では身体的、精神的変化の兆候察知や緊急時の応援要請についてシミュレーションしました。

「看護手順」では注射や点滴についてモデルを使って練習しました。

「SST(社会生活技能訓練)」ではロールプレイを通して体験的にイメージしていきました。

「CVPPP(包括的暴力防止プログラム)」ではリスクアセスメントや関係構築の大切さを学びました。

「看護記録」では電子カルテの操作しながら確認していきました。

「倫理」では事例を通してモヤモヤを語り合いました。

その他にも「多職種チーム医療の重要性」「精神科看護師として必要な基本姿勢と態度」「精神科看護」「精神科疾患概論」「医療安全・院内感染防止」「精神科災害看護」「精神保健福祉法」など様々なテーマで、たくさんの講師の先生や先輩職員と交流し、多くの知識や技術・態度を学ぶことが出来ました。